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【映画感想】『虐殺器官』

こんにちは
とろろ小太郎です。

今回は伊藤計劃原作のSFアニメ映画
虐殺器官』の感想です。

公開当初映画館にも見に行っていたのですが、ネットフリックスで発見し再度見ました。
結構原作既読の方からは厳しめな評価ですが、個人的には好きな映画ですね。
 

あらすじ

9.11以降、テロとの戦いを経験した先進諸国は、自由と引き換えに
徹底的なセキュリティ管理体制に移行することを選択し、その恐怖を一掃。
一方で後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加。世界は大きく二分されつつあった。

ラヴィス・シェパード大尉率いるアメリカ情報軍特殊検索群i分遣隊は、暗殺を請け負う唯一の部隊。
戦闘に適した心理状態を維持するための医療措置として「感情適応調整」「痛覚マスキング」等を施し、
更には暗殺対象の心理チャートを読み込んで瞬時の対応を可能にする精鋭チームとして
世界各地で紛争の首謀者暗殺ミッションに従事していた。

そんな中、浮かび上がる一人の名前。ジョン・ポール。
数々のミッションで暗殺対象リストに名前が掲載される謎のアメリカ人言語学者だ。
彼が訪れた国では必ず混沌の兆しが見られ、そして半年も待たずに内戦、大量虐殺が始まる。
そしてジョンは忽然と姿を消してしまう。彼が、世界各地で虐殺の種をばら撒いているのだとしたら…。
ラヴィスらは、ジョンが最後に目撃されたというプラハで潜入捜査を開始。
ジョンが接触したとされる元教え子ルツィアに近づき、彼の糸口を探ろうとする。
ルツィアからジョンの面影を聞くにつれ、次第にルツィアに惹かれていくクラヴィス
母国アメリカを敵に回し、追跡を逃れ続けている“虐殺の王”ジョン・ポールの目的は一体何なのか。
対峙の瞬間、クラヴィスはジョンから「虐殺を引き起こす器官」の真実を聞かされることになる。
虐殺器官ホームページより

感想

原作は高校生頃に読んだきりで、うろ覚え状態で見ました。
まず何といっても近未来のSFガジェットがカッコいいですよね。
人工筋肉の降下ポットにシーウィードと呼ばれる海藻型の航空機、目薬式のウェアラブル端末
などなどワクワクするガジェットが盛沢山。
それらを駆使した戦闘シーンは見ごたえ満載でした。

又、戦闘適応感情調整や脳のマスキングなど、出来そうだと感じてしまうSF要素が多く
よりリアリティを感じる世界感が特徴に感じますね。

私は原作でこの戦闘シーンが強烈で印象に残っています。
特にお互いに痛覚マスキングを施した兵士たちの戦闘シーン。
文章ながら生々しい描写に吐き気すら感じました。
そうした戦闘シーンがグロ描写として再現されていたのはよかったですね。

また本作は平和の裏にある虐殺を問いかける内容になっています。
こういった考えさせられる作品はドスンと胸に語りかけてきます。
哲学的な内容と文学を引用する原作から会話が多くなってしまうのは仕方ありませんし、
むしろその会話劇こそ本作の魅力の一つに感じました。
ただそれ故に原作未読ではその内容を映画の音声のみでかみ砕くのは難しく
そういった点は残念です。

以上。